マイナスということは買ったらお金がもらえる?
と「?」な方も多かったかと思いますので、そのカラクリをカンタンにご紹介します。
1.原油価格はなぜマイナスになったのか?
世間で騒がれていたマイナス価格の原油ですが、この原油はNYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)に上場されている「5月物の原油先物価格」のことです。
この5月物のWTI原油がマイナスとなったことで話題を呼びました。
先物取引では毎月決済の期限があり(限月)一番直近の5月物で起こった事象となります。
このマイナス価格の要因はズバリ「貯蔵(保管)場所が無い」からです。
以前から新型コロナウイルスにより経済が減速し需要が原油減っているとニュースになっていますが、
先日のOPECプラスで合意された協調減産も5月からのため、引き続き原油/石油在庫が積みあがっています。
実際に現物の受け渡しをする米オクラホマ州では5月中に貯蔵タンクがいっぱいになるといわれています。
貯蔵する場所が無いのでパイプラインや海上の石油タンカーでもでも保管していますが、ここがいっぱいになるのも時間の問題です。
つまり置いておく場所が無いので格安でも在庫を減らしたい、
さらにはお金を払ってでも引き取ってもらいたい(なんか不用品買取みたいですが)、
という理屈で市場初のマイナス価格を付けることになりました。
2.なぜこんなに下げたのか?
下げ幅を一度整理すると、
一時マイナス40.32ドルまで下げたので、数時間で50ドル以上も下げた形となります。
終値はマイナス37.63ドルで史上初めてマイナス価格で取引を終えました。
この歴史的な暴落があったのが4/20なのですが、実は5月物の最終取引日が4/21となります。
つまり4/22からは6月物の取引となります。
なのでファンドの投げ売りも原油価格の下落を加速させた一因となります。
3.まとめ
物の価値がマイナスになることはない、と思っていたのですがまさかの今回実現することとなりました。
原油のマイナス価格は保管料などを意味しています。
補足すると原油は保管料などの理由でコンタンゴになりやすい商品となります。
コンタンゴは期先よりも期近が安くなる現象なのですが、
ここについてはまた別の機会でお話しできればと思います。
原油関連については以下にも記事がありますので、ぜひ覗いていってみてください!
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