

さらには投資金額に対しての利益率も加味して投資対象や方法を考えているかと思います。
ここで1つ落とし穴なのが、リスク許容度を見落としがちな点です。
今回はこの「リスク許容度」を加味した実質投資効率の考え方をご紹介します。
Contents
1.リスクを同じとした場合の投資効率
この記事ではスワップポイント投資でよく使われる、以下の高金利通貨3つについての投資を前提にお話しを進めていきます。
・トルコリラ
・メキシコペソ
・南アフリカランド
また説明の都合上、為替レートやスワップポイントは過去の(6月)数値をもとにシミュレーションをしており、数値は変動しない前提としています。
実際はもちろん為替レートやスワップポイントは日々変動しますので今後の投資の目安として見ていただけるとありがたいです。
① スワップポイントで比較
スワップポイント(以下スワポ)投資と言えばやはり重要なのはスワップポイント。
では早速6月のスワップポイントで比較してみましょう。
※6/19から直近1週間の平均値で一番高いスワップポイントをピックアップし、端数は切上/下げしています。
※スワップポイントは1万通貨/日あたりの金額です。
・トルコリラ :20円
・メキシコペソ : 7円
・南アフリカランド: 8円
スワップポイントで見るとトルコリラが一番高いので、スワポ投資はトルコリラで決まり!
と最初は意気込んでしまいがちなのですがそれぞれの通貨の価値が違う、つまり為替レートが違うので保有できる通貨数も違ってきます。
② 保有可能通貨数=為替レートも考慮
さきほどの続きですが、いくらスワップポイントが高くても保有できる通貨数が違うと同じ運用資産でも受け取れるスワップポイントが変わってきます。
それでは同じ資金でいくらスワップポイントがもらえるのかシミュレーションしてみましょう。
3通貨それぞれの為替レートは、6/19の為替レートを切り良くしたもので仮定します↓
・トルコリラ :15.6円
・メキシコペソ : 4.7円
・南アフリカランド: 6.2円
これを資金10万円(レバレッジ1倍)で保有すると、
・トルコリラ
→10万円/15.6円 = 6,410通貨
・メキシコペソ
→10万円/ 4.7円 = 21,276通貨
・南アフリカランド
→10万円/ 6.2円 = 16,129通貨
となります。
これに1章のスワップポイントを当て込んで年間のスワップポイントを計算すると、
※スワップポイントが1万通貨当たりの金額のため、保有通貨は1万で割っています。
・トルコリラ
→0.641×20円 ×365日=4,679円/年
・メキシコペソ
→2.1276×7円×365日=5,436円/年
・南アフリカランド
→1.6129×8円×365日=4,709円/年
この様に実際の保有通貨数も加味すると一番スワップポイントの高かったトルコリラではなく、メキシコペソが一番スワップポイントがもらえる結果となりました。
トルコリラは一見よさそうですが今回の3通貨でみると一番もらえるスワップポイントが少ないですね。
③ まとめ
通貨のリスクを考慮しない場合は、このようにスワップポイントのほかに為替レート(保有できる通貨数)が投資効率を決める重要な要素となってきます。
いきなりすべてを覚えるのは難しいので、まずは1~2倍の低いレバレッジから
・スワップポイント
・為替レート(保有可能通貨数)
を考慮してシミュレーションしてみると良いでしょう。
2.それぞれ通貨のリスクの大きさとは?
まず最初に通貨のリスクとは何でしょうか?
FXにおいてはいろいろなリスクがありますがスワポ投資においてはレバレッジも大事な要素となっており、
このレバレッジを決める上では「どこまで下がるのか?」
というのが大事な要素になってきます。
つまりこの「どこまで下がるのか」を「どの程度のリスクの大きさか」ととらえてシミュレーションします。
具体的には過去チャートの高値/安値から算出するのですが、
過去といっても直近1年なのか数年なのか、はたまた10年の数値を見るのか?
正解はなく人によってどの程度過去までのチャートを遡るか様々です。
もちろんなるべく長い期間のチャートを分析した方が良いに越したことはないのですが、
あまり期間が長いとその分大きな値動きをカバーしなくてはいけなくなるので、
大きな資金が必要となってしまいます。
文字だけだけと分かりにくいので実際にチャートを見てみましょう。
① 直近5年の為替の動きをカバー(見る)場合
下のチャートはメキシコペソ/円の月足です。

直近5年の高値/安値とその差は
・高値:8.72円
差 ↕ 4.5円
・安値:4.22円
となります。
つまり最大4.5円下がってもロスカットされないレバレッジとしなければなりません。
② 直近3年の為替の動きをカバー(見る)場合
こちらも同じくメキシコペソ/円の月足チャートです。

直近3年の高値/安値とその差は
・高値:6.43円
差 ↕ 2.21円
・安値:4.22円
となります。
過去チャートを見る期間を2年短くしただけで、カバー範囲が2.21円と直近5年で見た場合の半分以下のカバー範囲となりました。
つまり①よりも高いレバレッジでスワポ投資が可能です。
③ 直近1年の為替の動きをカバー(見る)場合
また同じチャートですが、分析したい直近1年の2019年7月~2020年6月は右端に収まっています。。

直近1年の高値/安値とその差は
・高値:6.01円
差 ↕ 1.79円
・安値:4.22円
となります。
カバー範囲がさらに狭くなりましたね。
さらに高いレバレッジでのスワポ投資が可能です。
④ まとめ
この様に分析するチャートの期間によってどのくらいの為替の動きの範囲をカバーしないといけないか変わってきます。
比較しやすいように今回は純粋に高値/安値の範囲としましたが、実際には現在の為替レートから安値まで下がってもロスカットに耐えられるレバレッジにすることになります。
またスワポ投資の場合は長期の期間での投資となり定期的に買い増しする人が多いかと思うので、
既存の買いポジションも考慮したシミュレーションが必要となってきます。
今回は投資効率についての記事なので、こちらについてはまた別の記事で詳しくご紹介できればと思います。
3.リスクを考慮した実質投資効率
それでは本題の実質投資効率を見てみましょう。
リスク許容度は2章の通り分析する期間や現在の為替レートによって変わってきます。
ですのでここでは仮で、
・トルコリラ :レバレッジ2倍
・メキシコペソ :レバレッジ4倍
・南アフリカランド:レバレッジ3倍
というレバレッジで、資金10万円・1年間保有した場合で試算してみます。
① トルコリラ(レバレッジ2倍)

せっかくなので3通貨まとめてのせていますが、1章で定義した為替レートとスワップポイントを元にレバレッジ2倍で試算すると「年利9.4%」となります。
② メキシコペソ(レバレッジ4倍)

3通貨の中で最大のレバレッジなだけあって「年利21.7%」とかなり高利回りです。
③ 南アフリカランド(レバレッジ3倍)

たまたまレバレッジ順となってしまいましたが、2番目にレバレッジの高い南アフリカランドが「年利14.1%」とメキシコペソに次ぐ利回りです。
4.まとめ
スワポ投資の場合はまず最初にスワップポイントの大きさに目が奪われがちですが、
為替レート(買える通貨数)や取れるリスクの大きさ(レバレッジ)を考慮して、総合的にシミュレーションしなければなりません。
厳密にはスプレッドも成果を左右する要素の1つですが、スワポ投資の場合は取引回数が少ないのであまり気にする必要はないです。
シミュレーションももっと複雑になってしまいますので。。
今回の仮の為替レートとスワップポイントではメキシコペソが一番効率が良い結果となりましたが、
これは投資を始めるときや途中で買い増す際の為替レートやスワップポイント、
さらにはレバレッジによって結果が変わってきます。
ですのでシミュレーションの結果ではなく、シミュレーション方法を参考にしてもらえると嬉しいです。
①スワップポイント
②為替レート(保有可能通貨数)
③レバレッジ(リスク許容度)
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