【FX】フラッシュクラッシュとは?過去事例から学ぶ原因と対策
Tomo
一瞬でレートが動き、個人投資家を狩っていく「フラッシュクラッシュ」。

過去たくさんの個人投資家をロスカットに追いやったフラッシュクラッシュの、

原因と対策を過去事例から見ていこうと思います。

1.フラッシュクラッシュとは

フラッシュクラッシュはFXだけで起きるものではなく、

もともとは株取引で起きたことが始まりでした。

原因は後述しますが瞬間的にレートが動くので、

レバレッジなどの状況によっては、成すすべなくロスカットされてしまうことも多いです。

またフラッシュクラッシュの特徴として、瞬間的に下落したあと、

すぐに半値程度戻します
。(絶対ではないです)

最近だと3月9日のコロナショックでフラッシュクラッシュが起きていますが、

その前にも何回か起きています。

次の章からは過去の事例を見ていきましょう。

フラッシュクラッシュに限らず年末年始のFX取引の注意点はこちら↓

2.フラッシュクラッシュの過去事例

この章では過去に起きた4つのフラッシュクラッシュについてご紹介します。

フラッシュクラッシュ事例

①コロナショック
②アップルショック
③イギリスEU離脱ショック
④スイスフランショック

① コロナショック

無念にも私もロスカットされてしまった、20年3月9日の出来事です。

まずは3月9日30分足のドル円のチャートから↓

最初の赤枠を見るとすでに、115pips(1.15円)の窓が開いています。

これが6:00頃の出来事です。

これだけでもすごいことなのですが、次の赤枠ででさらに66pips(0.66円)下げています

これが10:30頃の出来事で、半日も経たないうちに約2円下落しました。

要因は↓の記事1章-③でもカンタンにご紹介していますが、

休場中のニュースがきっかけでした。

② アップルショック

記憶に新しい人も多いかと思いますが、19年1月3日に起きた「フラッシュクラッシュ」です。

名称の由来はアップルの業績下方修正が発端だったからです。

当時のドル円チャート(2時間足)がこちら↓

1月3日の2時間足ですが、

もう少し細かく見てみると、

5分間の間に109円台から104円台まで約500pipsも下がりました

株価急落 → リスクオフ → 円高

という展開でしたのでドル円を中心とすクロス円通貨ペアが全面的に円高となりました。

早朝7:00の出来事だったので、多くのトレーダーは朝起きたらロスカットの通知を見た、

という状況だったかと思います。

③ イギリスEU離脱ショック

こちらは16年6月23日の起きたフラッシュクラッシュです。

イギリス起因ですのでポンドが他通貨に対して下落しました。

まずはチャートから見てみましょう↓

これはポンド円の日足ですが、もう少し短い時間足で見てみると、

7時間の間に160円台から133円台へと、約27円(270pips)下落しています。

アップルショックほど短い期間での大幅な下落ではないにしても、

ロスカットされるに十分な下落スピードと下落幅かと思います。

この日は「イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票」があり、

EU離脱の可能性の報道がされるたびに下落していき、

結局7時間で約27円の下落という歴史的暴落を演出する形となりました。

④ スイスフランショック

最後は15年1月15日に起きた、フラッシュクラッシュです。

↓のチャートはユーロフランの日足です。

騰落幅でいうとアップルショックをはるかに超える規模で、

なんと数分間の間にユーロが約2,300pipsの暴落(フランが暴騰)しました。

ここまでの短期間での暴落なので、取引レートを提示できないFX業者が続出し、

一時取引停止状態に追い込まれました。

※チャートはユーロフランですが、スイスフランショックはフランの暴騰なので、

フラン円やドルフランなどフラン絡みの通貨ペアが大きく影響を受けました。

また急激な下げだったので、レートが飛んでしまい追証が発生する投資家も続出しました。

※1.20のちょっと下にストップロス(損切り)が多かったのですが、

実際のストップロスとして決済できたのはもっと下のレートだったようです。

要因はスイス国立銀行(中央銀行)が数年間続けていた為替介入、

を中止することを発表したことでした。

2.なせフラッシュクラッシュが起きるのか?

フラッシュクラッシュは1つの要因で起きるわけではなく、

様々な要因から起きてしまいます。

その代表的な要因はこちら↓

フラッシュクラッシュの要因

①流動性の低さ
②ヘッジファンドなどのシステム取引
③ストップロス(損切り)の巻き込み
④誤発注

ここからはもう少し具体的に見ていきましょう。

① 流動性の低さ

流動性が低いといつもより少ない注文量でも、レートが動いてしまいます

(個人投資家ではなく巨大な機関投資家の場合)

そのためヘッジファンドが投機目的で流動性の少ない時期に、

大量の注文を出す場合があります。

流動性の少ない時期とは、年末年始・ゴールデンウィーク・夏季休暇(8月)などです。

夏季休暇は一般企業はもちろんですが、

ヘッジファンドのトレーダーもこの時期に休暇を取っています。

つまりトレーダーが少ないので流動性が低くなります。

また時期もそうですが、新興国通貨などのマイナー通貨はもともと取引量が少ないので、

狙われやすい
通貨です。

② ヘッジファンドなどのシステム取引

ヘッジファンドなどの機関投資家の間ではシステムによる自動取引が増えてきています。

具体的には「アルゴリズム取引」「高頻度取引(HFT)」です。

AIによるニュースの誤認で急にトレンドが発生する場合もありますが、

1度トレンドが発生するとHFTによって、さらにトレンドが伸び続けることもあります。

③ ストップロス(損切り)の巻き込み

これはフラッシュクラッシュに限らずですが、例えばロングのストップロス注文が決済されると、

さらにレートが下がりその下のストップロス注文が決済され、

売りが売りを呼ぶ展開となります。

特に103円などの節目(キリが良い)のレートで、

過去何度もサポートラインとして機能しているストップロスの壁を越えてしまった場合は、

フラッシュクラッシュのような急激な下げに転じる事が多いです、

アップルショックも当時108円にストップロス注文が多く、

ここをあっさり超えてしまったため、売りが売りを呼ぶ暴落となりました。

④ 誤発注

FXは証券取引所のような注文が集約される場所が無いので憶測ですが、

誤発注でレートが大きく動いたケースがあるという話もあります。

ただこれは事実を確かめようがないので、あくまでご参考までに。

3.フラッシュクラッシュ対策

投資や資産運用の大前提に立ち返ると、資産の分散、

つまりFX(通貨)以外の株や債券などの投資なんて話にもなりますが、

ここではFXの中での対策を見ていきます。

年末年始(大型連休)対策

①ポジションを持たない
②証拠金維持率を高く保つ
③両建てでやり過ごす
④スプレッドの広がりにくい口座を使う

① ポジションを持たない

やはり一番良いのはポジションを持たないことです。

ポジション持っていなければ、どんな急騰落が起きても蚊帳の外ですから。

ただ手動トラリピのように常にポジションを保有しているスタイルの場合は、

なかなかすべてのポジションを決済するのは難しいと思います。

そうすると、次の②・③・④の対策が必要になってきますね。

② 証拠金維持率を高く保つ

きちんと損切り設定や資金管理をした、

ハイレバトレードをしている人以外には基本中の基本ですね。

証拠金維持率を高くすることで、ロスカットされる確率はグッと減ります。

特に大型連休前はポジション整理や入金で証拠金維持率を高く保ちたいですね。

どのくらいの証拠金維持率にすれば良いの?

という声が聞こえてきそうですが、

これは投資手法や通貨ペア、使っているFX口座によっても違いますし、

何より○○%なら絶対安全という基準が無いです。

あ、レバレッジ1倍以下ならロスカットはほぼ無いですね 苦笑

③ 両建てでやり過ごす

ポジション整理が難しい場合は両建てするのもアリです。

もちろんマイナススワップは受け入れる前提で。

ただ両建てで注意しなければいけないのが、スプレッド。

ロングとショート両方持つのでスプレッドが2倍となり、

そのスプレッドは評価損益に反映されます。

ですので、ある程度余裕のある証拠金維持率の状態で両建てしないと、

拡大したスプレッドの影響でロスカットされることもあるのでご注意を。

ちなみに私は両建てしているときの、スプレッド急拡大でのロスカット経験者です 苦笑。

ま、これはアホみたいな証拠金維持率だったので、

自業自得ですが。。。(あの時は若かった、、)

④ スプレッドの広がりにくい口座を使う

ポジションを持たないのが一番良いのですが、

それが出来ない場合は②・③の一部ポジション決済や両建てになります。

ただ両建てで怖いのがスプレッドの影響を2倍受けること。

○○ショックなど相場が荒れているときは、とんでもないスプレッドになることがあります。

ちなみにコロナショックの場合は、とあるFX口座で、

普段0.2銭のスプレッドのところ、12銭まで広がりました。

これを両建てすると24銭なのでなかなかの評価損となります。

これは事前に防ぐことも、予知することも出来ないので、

「SBI FXトレード」など相場急変時に強い、

口座へのお引越し
も有効な手段ですね。

最後に私は記事内にも出てきた「手動トラリピ」という運用手法で毎月安定的な利益を出しています。

もちろん投資なので「絶対もうかる」とか、「損はしない」という分けではないですが、

やみくもにトレードするりも安定した投資方法です。

手動トラリピの始め方/設定/通貨選びなど、手動トラリピについての情報はこちら↓に詰め込んでいるので、

ぜひ一度見てみてくださ~い♪

現在運用中の手動トラリピ実績と、その実績を出した設定はこちら↓の記事に纏めています。

皆さんの手動トラリピ運用の一助になると嬉しいです♪

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