

ではなぜ1~2倍までなのか?
どうなったら、何倍までのリスクをとっても良いのか?
具体的にリスク(に見合う利益)の取り方についてお話します。

1.ホッタラカシ投資において高レバレッジをおススメしない理由とは?
それは、ホッタラカシ投資において決してはやってはいけないことが、「強制ロスカット」されることだからです。
「強制ロスカット」とは含み損で(詳細は後述します)口座の証拠金維持率が100%を下回ってしまうことで、強制的に現在持っている通貨を決済(売却)されてしまうことです。
売りから始めた人は、強制的に買い戻されてしまいます。
これだけだどイマイチピンとこないかもしれないのですが、具体的なお話の前に含み損についてご説明します。
FXに限らず株でも投資信託でも買ったまま(保有したまま)、決済(売却)しなければ損益は確定しません。
ただ、金融商品(FXでいうと通貨)を持っている間でも口座へは今決済した場合の損益がリアルタイムで反映されており、これを「含み損益」、または「評価損益」と呼びます。
では、具体的な例を見てみましょう。
※有効証拠金:含み損益を反映した口座の残高
※必要証拠金:取引金額の4%(FX会社により10%の場合も)

このようにたとえ10万通貨だけの保有でも、レバレッジが高いことでちょっとの値動きで大きく証拠金維持率が変動してしまいます。
では、どうしたらロスカットの確率を抑えながら効率の良い利益が取れるちょうどよいレバレッジが分かるのか?
2章にて過去のチャートからの算出方法をご紹介します。
少額の通貨の保有でも、レバレッジが高いと少しの値動きで証拠金維持率が大きく動く。
※比較の便宜上、レート変動後のレバレッジを「29倍」、証拠金維持率を「86%」と記載していますが、25倍を超えた(証拠金維持率が100%を下回った)時点で強制ロスカットされますので、この表示が口座画面に出てることはなく、実際の損失は100%を少し下回ったところになります(ただし、相場が荒れている場合はこの限りではありません)。
2.リスクとリターン(利益)のちょうど良いレバレッジ
1章でご説明した通り、レバレッジ高いと少しの値動きでロスカットにあう確率が高まります。
そして、投資用資金は事前に決まっているかと思いますので、「いくらまで買ってよいのか?」がポイントとなります。
では、その「いくらまで買ってよいのか?」はどう判断するのか?
それは、過去のチャート(値動き)からリスクを予測します。
例えば、過去10年のメキシコペソの値動きを見てみましょう。

過去10年で「3.5円」の値動きであることが分かるかと思います。
この過去の値動きの実績より、資金10万円の場合のマイナス3.5円に耐えられるレバレッジを計算します。
以下は1~3万通貨保有したときに、3.5円下がってしまった場合のシミュレーションです。
※現在の為替レートは1メキシコペソ/5.8円想定
※証拠金維持率=有効証拠金/必要証拠金*100

このように、3万通貨保有しているだけでロスカットに見舞われてしまいます。
詳細な計算は割愛しますが、正確には2.8万通貨の保有でロスカットとなります。
では、これをもとに当初はどの程度のレバレッジで保有すれば良いのでしょうか?

過去10年の値動きをもとにした超安全運用の場合、レバレッジは最大でも1.6倍程度がロスカットに合わない目安。
3.まとめ
最初はレバレッジと証拠金維持率の計算がややこしく、戸惑ってしまうかと思いますが実際に取引すると取引画面に自動で計算された「レバレッジ」と「証拠金維持率」が表示されます。
実際に1~2倍の低レバレッジで取引をして、感覚で計算が分かってくるかと思いますのでここで計算を理解するよりも、まずは実際に低レバレッジで取引すると理解が進むかと思います。
少額の通貨の保有でも高レバレッジだとロスカットのリスクが高い。
過去10年の値動きをもとにした超安全運用は、「レバレッジ1.6倍」。
この2つが過去10年の値動きから試算できるロスカットに合わないレバレッジ。
※今後の値動きによってはもちろんロスカットに可能性はゼロではありません。
レバレッジ1.6倍は確かに安全なのですが、ちょっと利益率が悪いのがネックです。
そこで、「コチラの記事」ではもっとリスクを取る方法、そのリスクヘッジの考え方をご紹介しています。