

今回はメキシコペソの値が動く要因、つまりはそもそもメキシコとはどんな国?
というテーマでご紹介します。
この記事でメキシコペソの騰落要因が整理できるかと思います。
Contents
1.メキシコとはどんな国?
メキシコの正式名称は「メキシコ合衆国」で、首都は「メキシコシティ」となります↓

面積は「196万㎢」です。
日本が約38万㎢なので、日本の約5倍の広さとなります。
人口は約1.3億人なので、日本の人口とほぼ同じです。
ただ、年齢分布をみるとメキシコの方が全体的に若いです。
※2017年時点
※左側緑円グラフがメキシコ、右側赤円グラフが日本

2017年時点の名目GDPはメキシコ「約126兆円」に対して日本は「約556兆円」となっており、さすがに世界3位のGDPを誇る日本とは大きな差となっています。
2020年2月現在の政策金利は7%と、FXで取引されている通貨の中ではトルコに次いで2番目に高い水準です。
失業率は2020年1月時点で「2.9%」と先進国並みの低失業率です。
ただ、2019年の物価上昇率は2.8%とメキシコ中銀の目標の3%には届かず実質GDPの下振れ要因となっています。
輸出品目は自動車・同部品(27.5%)、電気・電子機器(18.0%)、産業用機械機器(12.2%)、原油(9.1%)が中心となり、輸出相手国は約80%程度がアメリカとなります。
次いでカナダ・ドイツ・中国となります。
輸入品目は 電気・電子機器(21.0%)、産業用機械機器(14.4%)、自動車・同部品(12.3%)、ガソリン(3.8%) が中心となり、輸入相手は約半分がアメリカです。
次いで、中国・日本・ドイツとなります。
以上のメキシコの経済状況を以下にまとめてみました↓

※人口・年齢分布・名目GDPは2017年時点、 失業率は2020年1月時点、物価上昇率は2019年年間、輸出入品目/額は2014年時点となります。
2.メキシコペソの騰落要因
ここではメキシコペソの為替レートに影響を与える要因についてご紹介します。
① アメリカ経済
メキシコはアメリカの隣にあり、物理的に近いこともあってアメリカ経済から大きく影響を受けます。
1章でご紹介した通り輸出入額の1位はともにアメリカです。
ですので、②の通りメキシコペソ/円はドル/円とよく似た動きをします。
② ドル/円の為替レート
①とも一部重複しますが、アメリカ経済の影響を強く受ける関係でメキシコペソ/円はドル/円と連動性があり、同じような動きをします。
実際に本当に連動性があるのかチャートを見比べてみましょう。
【メキシコペソ/円:1時間足】

【ドル/円:1時間足】

どうでしょうか?
全く同じとまではいかないものの、左赤枠の2/12 18:00前の急騰落、右赤枠の2/13 6:00過ぎの急落、同じタイミングにメキシコペソ/円・ドル/円どちらも同じ動きをしています。
③ 原油価格(WTI原油)
実はメキシコは世界有数の産油国で世界11位の産出量を誇ります↓
※2018年の生産量ランキング

ですので原油価格の指標であるWTI原油の価格がメキシコペソの価格に影響を及ぼす一因となります。
因みに原油ほどの影響はないですが、銀などの鉱物資源や天然ガスなども豊富に存在しています。
④ 金融政策
これもメキシコに限らずですが、メキシコ中銀が利上げ、もしくは利上げ観測が出てきたらペソ高要因、
逆にメキシコ中銀が利下げ、もしくは利下げ観測が出てきたらペソ安要因となります。
ただ、最近は5会合連続で利下げしており、物価上昇率も高くはないので利上げはすぐにはなさそうです。
ちなみに、メキシコペソに限らずですが高金利通貨は先進国通貨の利下げによって、相対的に投資対象としての魅力が高まり(先進国通貨と比較して相対的に高金利)ペソ高の一因となります。
⑤ 経済指標
メキシコ国内の経済指標で大きく動くことはまれですが、
・消費者物価指数
・小売売上高
・GDP成長率
あたりをおさえておけば問題ないかと思います。
※これ以外にもメキシコの経済指標は存在します。
ただ、アメリカ経済の影響を大きく受ける国だけあってメキシコ国内の指標よりもアメリカの
・雇用統計
・ISM製造業景気指数
などの重要経済指標の方がメキシコペソに大きな影響を与えます。
⑥ 政治の不安定さ
同じ新興国通貨のトルコ、南アフリカと比べるとまだマシかもしれませんがメキシコも政治は不安定です。
2018年12月にロペスオブラドール大統領が就任しましたが、前政権が外資の呼び込みのために計画していた新空港建設や、石油鉱区入札の中止、さらには企業団体の反対を押し切り一気に最低賃金を16%もアップさせました。
もちろん経済に悪影響が無いわけがなく、前政権でのGDPは1.5~3%台の成長率でしたが現政権ではマイナス成長が続いています。
⑦ リスクオン/オフ
メキシコペソは高金利通貨の中では値動きも安定していて、新興国の中ではメキシコは一番安全性が高いです。
ですが、ドル・円・ユーロなどの先進国通貨と比べると比較的安全性は低いので
リスクオン→ペソなどの新興国通貨買い
リスクオフ→ペソなどの新興国通貨売り
という動きとなります。
それでは、メキシコペソの騰落に影響を与える要因を纏めます。
①アメリカ経済
②ドル/円の為替レート
③原油価格(WTI原油)
④金融政策(主に政策金利)
⑤経済指標(アメリカの指標の方が重要)
⑥政治(少なくとも現職の大統領の間は)
⑦リスクオン/オフの流れ
3.メキシコペソの展望
ここまではメキシコとメキシコペソの基本的な情報をご紹介してきました。
ここでは今までのファンダメンタルズ面ではなく、テクニカル的な側面からメキシコペソの今後の展望を見ていきます。
【メキシコペソ/月足】

ちょっと見にくいですが、2012年5月ごろよりチャートが始まっていて、2020年2月末までの値動きを表しています。
2000年代まで紐解くと10円以上なんて時代もありましたが、緑枠の2016年6月以降は5円弱~6.5円弱で数年間もレンジを形成しています。
ですので、トラリピやループイフダンなどのリピート系のトレードも利きそうです。
ただし高金利な分、売りのマイナススワップも大きいのでショートを持つ場合はご注意を。
【メキシコペソ/週足】

こちらも見にくいのですが、、チャートは2018年7月から始まり2020年2月末までを表しています。
月足の通り2016年6月頃からレンジを形成しているので、月足も同じ傾向です。
緑枠の2019年の8月頃は米中の貿易戦争の影響(特に中国への第4弾制裁関税のトランプ大統領のツイート)が出てから急落し、その後一時的な関係回復から上昇トレンドとなっています。
【メキシコペソ/日足】

お馴染みの見にくいチャートですが、、2019年11月より始まり2020年2月25日までを表しています。
緑枠の下げはトランプ大統領の中国に対する挑発的なツイートによる、米中の関係悪化の懸念から一時的に下げました。
ただ、その後は12月のクリスマス商戦などの自国経済に与える影響や2020年11月の大統領選を意識して、部分的な融和路線へトランプ大統領が路線変更したため年末に向けて上昇傾向となりました。
因みにこの記事を書いている2/25は、再度新型肝炎による経済への影響を懸念して下窓を開けて急落しています。
現時点では未来のことは分かりませんが、新型肝炎が治まり、原油価格の値も戻せば年内、少なくともアメリカ大統領選まではゆるやかな上昇傾向が続くのではないかと思います。
追記
その後コロナの影響で暴落し史上最安値を更新することになりました。
そして、3月の暴落で1,000万円のロスカットになることに・・。↓
とはいえ適切な資金管理をすれば、ロスカットにあう確率はかなり減らせるので(このときは少しアグレッシブに攻めすぎました。。)、
まずは適切な資金管理方法を学んでから始めることをおススメします。
4.まとめ
メキシコは新興国なので先進国と比較すると政治も経済も不安定なのですが、実は新興国の中では安定している国です。
詳細はコチラの記事でもご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください↓
また高金利通貨特有の高いスワップポイントを生かして、損切をしないトレード手法もあります↓
先進国通貨と比べると情報が少ないので難しい側面もありますが、やり方次第では比較的ローリスクで利益を出すことができる通貨かと思います。
その他のおススメFX口座はコチラから↓
FXの勉強を始めてみたい方はコチラをどうぞ↓
最後にコチラ↓のバナーをクリックして応援して頂けると嬉しいです!

