人としては賛否両論ですが、ビジネスマンとしての資質を疑う人はいないでしょう。
そんな彼の最新の書籍を手取る機会がありましたので、書評を書かせて頂きました。
1.著者
東京大学在学中に「オン・ザ・エッジ(後のライブドア)」を立ち上げ、数年後に同社を東証マザーズ(東証の新興企業向け市場)に上場させる。
ホリエモンという愛称で世間に愛されていたが、証券取引法違反、通称ライブドア事件をきっかけに2006年に逮捕。
それでも獄中からメルマガを発信し続け、2005年から開発を始めていた本書のロケット開発資金集めを行うなど、どこにいても生粋のビジネスマンであることは変わらない。
2.本書の目次
第1章 なぜ、僕は宇宙を目指すのか ISTは正しいことしかしない
第2章 ゼロから始めたロケット打ち上げへの道 やりたいことがあれば、経験は関係ない
第3章 MOMOとZERO、僕らのロケットが目指すところ 宇宙に行かなきゃ意味がない
第4章 自動車産業の次に日本を支えるのは宇宙産業しかない
第5章 日本は宇宙産業で世界をとれるか
3.書評
① 本書の内容について(ネタバレは含みません)
本書の内容を一言でまとめると「ホリエモン版下町ロケット」。
ただ、ホリエモンの著書だけあって物語だけでは終わらずキチンと経済の話にも触れています。
本書の構成としてははホリエモンが宇宙産業、その中でもロケット開発に携わる話の中で、
・日本におけるロケット開発の可能性と未来
・やりたいことに経験は関係ない
・ホリエモンが見るロケット開発と既存のとある産業との類似点
・ホリエモン流ロケット開発のマネタイズ方法
・実は今危機にある自動車産業の技術がロケット開発に有用
というメッセージで構成されています。
② 読み終えてみて
読み物の物語としても十分面白いのですが、それだけではなくホリエモン流のビジネス感覚も垣間見ることができて、ドキュメンタリー+ビジネス書籍のような感覚で読めて一石二鳥のように感じました。
現在、米国のGAFAや中国のBATH(BAT)などのIT企業の巨人たちが世界を席巻していますが、
これらの企業は規模も技術もけた違いで日本が立ち向かうには難しい状況が続いてます。
でも日本が世界をリードする技術もあり、その中の1つとして著者が推しているのが宇宙産業。
その理由は理路整然としていて誰しもが納得とも言える内容でした。
※詳細はネタバレしてしまうので割愛します。
その中で視野が広いなぁと痛感させられたのが、ロケット開発とある既存産業は同じだと解説してる部分でした。
ぜひ本書を読んでみて「ああ、なるほど」と唸ってほしいのですが、なかなかこの点に気づいている人はいないのではないかと思います。
自由な発想で視点が違うなあと思わされたのが、ロケットのマネタイズ方法。
もちろん、ロケット開発に携わっている人はごく少数かと思うので「そんなの知らんでしょ」と思わずツッコミ入れたくなるかもしれませんが、広告業界に身をおいている私としては「発想次第でなんでもできるな」、と思わされました。
そして最後に私が一番興味をそそられたのが「今危機に瀕している自動車産業の技術がロケット開発に転用できる」という点です。
これはホリエモンが宇宙産業を推す理由の1つでもあるのですが、自動車産業は今100年に1度と言われる大変革の真っただ中で言わゆる「CASE」対策に追われています。
このCASE対策であぶれる技術者をロケット開発に起用しようというのです。
その可能性と理由については本書に詳しく解説がるので是非読んでみてください。
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