手動トラリピは裁量トレードの場合と通貨を選ぶ基準が変わってきますので、
今回はこれから手動トラリピを始める方向けに通貨ペアの選び方をご紹介します。
Contents
1.手動トラリピで通貨を選ぶ基準
手動トラリピにおいて通貨ペアを選ぶ基準は次の3つです。
①長期的にレンジ相場を形成している(高値~安値の幅が狭い)
②ある程度ボラティリティ(値動き)がある
③スプレッドが狭い
ただ絶対これも条件クリアしてないと、という訳ではないですが以下の3つも条件をクリアしているとなお良いです。
④スワップポイントが高い
⑤マイナススワップが低い
⑥証拠金が安い
このあとそれぞれの理由を掘り下げて解説していければと思います。
① 長期的にレンジ相場を形成している(高値~安値の幅が狭い)
これは手動トラリピを行う上では絶対条件で、これに当てはまらない通貨ペアは手動トラリピに向いていません。
これはどういうことなのか、具体的に例を出して比較してみましょう。
まずは殺人通貨とも言われるほど値動きが大きいといわれる「ポンド/円」の月足チャートを見てみましょう。
過去5年で見てみると「高値195.886~安値124.044」の幅で動いており、
その差は「71.842円」、pipsにすると「7,184pips」となります。
続いてオセアニア通貨同士でどちか一方に為替レートが動きにくい「豪ドル/NZドル」の月足チャートです。
こちらも過去5年で見てみると、「高値1.14723~安値0.99955」の幅で動いており、
その差は「1,476pips」となります。
つまり「ポンド/円」は「豪ドル/NZドル」の約5倍も為替が動く幅があることになります。
この差が具体的に手動トラリピでどういう影響があるかと言うと、
例えばトラップ(IFD注文)を100pipsごとに仕掛けるとします。
仮に過去5年の高値~安値すべてカバーする設定とすると
「ポンド/円」のトラップ数は、
7,184pips ÷ 100pips =72本
「NZドル/豪ドル」のトラップ数は、
1,476pips ÷ 100pips = 15本
が必要となります。
つまり「ポンド/円」は「豪ドルNZドル」と比べて、
トラップ数(IFD注文)が約5倍、つまり資金も約5倍必要になってしまいます。
※トラップあたりの通貨数により必要資金は変動します
ですので冒頭でお伝えした通り、
「長期的にレンジ相場を形成している」というのは手動トラリピを実施する上で、
通貨ペア選定の絶対条件となります。
② ボラティリティが高い
ボラティリティ(値動きの大きさ)も手動トラリピでは重要となります。
ポンド/円のように殺人的に上下を繰り返されるとさすがに厳しいのですが、、
レンジ相場の範囲である程度為替が動いてくれないと決済されないので、
ボラティリティの高さも手動トラリピでの通貨ペア選定で重要な要素となります。
こちらについてはマネースクエアさんでまとめた数値がるので、そちらを引用したいと思います。
左側の「総推移(合計)ランキング」は、シンプルに2019年に動いた為替レートの合計。
ただこれだと通貨の価値が加味されないので、効率を加味したランキングは
右側の「1円あたり総推移ランキング」となります。
米ドル円が1位と言うのは意外な結果でしたが、手動トラリピで人気のカナダドル円はさすがと言ったところかと思います。
2点気を付けていただきたいのが、あくまでマネースクエアさんで取り扱いのある通貨ペアのランキングですので、
マネースクエアさんで取り扱いの無い通貨ペアは集計対象外となっています。
またランキングはクロス円のみとなりますので手動トラリピで人気の、
「豪ドル/NZドル」「米ドル/スイスフラン」「ユーロ/ズロチ」などはランキング対象外となります。
ですのであくまで通貨選びの1要素として参考にして頂ければと思います。
③ スプレッドが狭い
これは手動トラリピでなくてもですが、特に手動トラリピにおいては、
注文回数が多くなることが多いので重要です。
スプレッドは実質手数料のようなものなので少ないに越したことはないですよね。
すべての会社のスプレッドを比較するとそれだけで記事が終わってしまうので、、
ここではいつも私がお世話になっている(メイン口座として使っているという意味)
LIGHT FXさんを例に見てみます。
こちらは主要通貨のスプレッド↓
そしてマイナー通貨のスプレッド↓
通貨の価値やボラティリティによってスプレッドの影響が違うので一概には言えませんが、
クロス円であれば1銭を越えなければ優秀ではないでしょうか。
外貨同士であればできれば3pips以下にはしておきたいところ。
LIGHT FXさんの場合は大体上記の範囲に収まっていますが、
他のFX会社さんだと通貨によってはもっと広いスプレッドの場合もあります。
ちなみに冒頭でLIGHT FXさんがメイン口座と書きましたが、
メキシコペソのみスプレッド最狭0.2銭のセントラル短資FXさんを使っています。
ですので、通貨ペアによって最適なFX会社さんを探してみると良いかと思います。
2.手動トラリピで通貨を選ぶ基準(できればクリアしたい)
こちらは手動トラリピでの通貨選びの絶対条件ではないですが、
できればこれもクリアしてると良いなという基準をご紹介します。
① スワップポイントが高い
特にロングのみの手動トラリピの場合ですが、為替があまり動かなくてなかなか決済されない場合でも、
スワップポイントを受け取りながらゆっくりと為替が動くまで待つことができます。
高金利通貨のスワップポイントは定期的にランキングしているので、
こちらも参考にしてもらえればと思います。
② マイナススワップが低い
これはハーフ&ハーフや両建ての手動トラリピの場合に影響します。
基本的にロングとショート両方持つとマイナススワップの方が大きいので、
日々口座資金が減っていきます。。
もちろんそれを上回る決済益があれば問題ないのですが、精神衛生上良くないですよね。。
マイナススワップの少ない口座は「LIGHT FX」と「みんなのFX」で、
ちょっと前まではロングのプラススワップとショートのマイナススワップが同じだったので、
両建てしてもスワップは±0円でした。
ただ、今はほぼ差はないものの一部通貨はマイナススワップの方が大きいです。
とは言えこの程度の差↓なので非常に優秀な口座と言えます。
LIGHT FXとみんなのFXはこちら↓からも口座開設が出来ます。
③ 証拠金が安い
資金が潤沢にある人はあまり気にしなくて良いかもしれませんが、
証拠金が高いと仕掛けられるトラップ(IFD注文)の数が減るので、
資金効率が悪くなってしまいます。
例えば現在のレートで1,000通貨買うとすると、ここまで差が出てきます↓
・米ドル/円 :4,120円
・カナダドル/円 :3,160円
・メキシコペソ/円: 200円
特に最初は少額で運用してみて、軌道にのったら資金追加すると良いので、
証拠金の安さも通貨選びの1つの基準としても良いかと思います。
2.手動トラリピにおススメの通貨
手動トラリピにおススメの通貨は、運用される方の資金や経験値などによっても変わりますが、
以下通貨はおススメできます。
①豪ドル/NZドル
②メキシコペソ/円
③カナダドル/円
④ユーロ/ズロチ
⑤ユーロ/円
⑥米ドル/スイスフラン
1/3追記 ⑥は今は待ったほうがいいかも、、
① FX初心者はクロス円ペアから
「豪ドル/NZドル」や「ユーロ/ズロチ」「米ドル/スイスフラン」などの外貨通貨ペアに慣れていない方は、
最初は円の絡む「クロス円」ペアから始めると、
トラップや証拠金などの設定まわりの計算が分かりやすくおススメです。
外貨通貨ペアだと少し計算がめんどくさいので。
なかでも1つ目の手動トラリピ通貨としておススメは「メキシコペソ/円」です。
5月に史上最安値を更新しましたが、今のところすぐに再度史上最安値を割る可能性は低く、
証拠金も安いので始めやすいです。
証拠金は少し高くなりますが「メキシコペソ/円」よりボラティリティの高い「カナダドル/円」もおススメです。
「ユーロ/円」は円高対策として売りで使う事が多いので、2つ目3つ目の通貨ペアにおススメです。
② FX経験者は外貨通貨ペアもおススメ
すでにある程度FXの経験があって外貨通貨ペアに抵抗のない方は、外貨通貨ペアにも魅力的な通貨ペアがあります。
「豪ドル/NZドル」はともにオセアニア通貨ということで、一方に通貨の強さが偏ることがありませんので、
かなり長期でレンジ相場を形成しています。
「ユーロ/ズロチ」は取り扱っているFX会社が少なく、恐らくサクソバンク証券とIG証券くらいでしょうか。
ですので実際は「ユーロ/円売り」と「ズロチ/円買い」を組み合わせて、
「ユーロ/ズロチ買い」として運用している人が多いです。
最後に「米ドル/スイスフラン」です。
あまり馴染みのない通貨ペアかもしれませんが、長期的にレンジ相場になっています。
利益率は「豪ドル/NZドル」を凌ぐとも言われるくらい、高い利益率をたたき出しているようです。
③ これから手動トラリピを始める方へ
手動トラリピの始め方/設定/通貨選びなど、手動トラリピについての情報はこちら↓に詰め込んでいるので、
ぜひ一度見てみてくださ~い♪
現在運用中の手動トラリピ実績と、その実績を出した設定はこちら↓の記事に纏めています。
皆さんの手動トラリピ運用の一助になると嬉しいです♪
最後にTwitterにてFX相場状況や実績などツイートしていますので、
ぜひフォローして頂けるとうれいしいです!